2010年07月06日

歯磨き頻度と心疾患リスク

歯磨きの頻度が1日1回未満の人は心血管疾患リスクが高い

BioTodayより
 
 2010-05-29 - 口腔衛生に関する質問に答えた英国スコット
 ランド成人およそ12,000人の8年間の追跡調査の結果、歯磨
 きの頻度が1日1回未満であることと心血管疾患リスク上昇
 が関連した。
 歯磨き頻度が1日1回未満の人は1日2回磨いている人に比
 べて心血管疾患におよそ1.7倍なりやすいという結果が得られ
 ている。

参考文献
Toothbrushing, inflammation, and risk of cardiovascular
disease: results from Scottish Health Survey. BMJ 2010;
340:c2451, doi: 10.1136/bmj.c2451 (Published 27 May 2010)

口腔内の細菌の絶対数が多くなった分だけ、血液などで運ばれる細菌も増えるんだろうな。


WS000988.JPG

WS000989.JPG

WS000990.JPG


投稿者 takagi : 15:50 | コメント (0)

2008年07月31日

骨芽細胞活性化因子CTP

BMP(bone morfogenrtic protain)とは別経路での骨眼細胞活性化因子のコラーゲン・トリペプチド(CTP)が明らかになったそうだ。

しばらく、骨の基礎研究から離れていたが、どんどんいろんなことが解明されて製品化されていくんだな。

コラーゲン・トリペプチド(CTP)についてはこちら

投稿者 takagi : 13:56 | コメント (0)

2008年07月29日

ビスフォスフォネートによる骨壊死

数年前から骨粗鬆症などの治療薬であるビスフォスフォネート(Bisphosphonates:BPs)による顎骨領域に特有に発症する骨壊死が大きな問題となっている。
インプラントや骨移植などはもとより、抜歯など日常の歯科臨床において慎重に対応する必要がある。

BPsは、生体内活性物質ピロリン酸と類似の構造をもつ化合物で、強力な破骨細胞機能抑制作用を有する。
骨粗鬆症や、悪性腫瘍による高カルシウム血症、多発性骨髄腫あるいは乳がんをはじめとする各種固形癌の溶骨性骨転移や骨関連有害事象の治療に幅広く使われている。

2003年にMarxによってBPsによる顎骨壊死が最初に報告されて以来、多くの症例が集積されてきたが、BPsの作用機序や顎骨壊死発祥のメカニズムは正確に解明されていない。

これまでに報告されているBPs製剤の骨吸収抑制の作用機序としては、
1)は骨細胞の酵素活性阻害
2)は骨細胞のアポトーシス誘導
3)ヒドロキシアパタイトへのBPs沈着による骨微細構造の変化
4)抗血管新生作用
など

BPsによる顎骨壊死の診断基準(米国口腔顎顔面外科学会による)
1)現在、またはBP系製剤による治療を受けた既往がある
2)8週間以上継続する骨露出・壊死が顎口腔領域にみられる
3)顎骨に対する放射線治療の棋王がないこと
以上の三条件を満たす。

BPs関連の骨壊死のエックス線的画像所見(Bianchi,S.D.2007)
1)骨梁の構造変化
2)骨皮質の粗造化
3)骨硬化
4)腐骨形成
5)骨膜や上顎洞粘膜の反応による新生骨の形成

病因論や発症の危険因子正確に解明されていない現在、その予防や治療法は確立されていないが、現時点で推奨されている治療ガイドラインは、
1)露出骨や壊死組織の除去や粘膜弁による骨露出部の被覆などの積極的な外科処置は避ける
2)0.12%クロルヘキシジンによる局所洗浄と骨露出部の保護シーネ
3)周囲軟組織の二次感染予防と疼痛緩和を目的とした抗菌薬投与

以上の保存的治療を受けても壊死が進行し、病的骨折、皮膚‐口腔ロウ、広範な骨露出などを惹起する場合がある。

Engroffら(2007)は、外科的治療を推奨しており、治療時に考慮すべき事項を以下のように挙げている。
1)放射線性顎骨壊死と異なり、口腔粘膜はBPsによる有害な影響を直接的に受けない。
2)歯牙の存在によって引き起こされる活発なリモデリングが存在する。
3)選択的に破骨細胞の機能が阻害され骨芽細胞の機能は影響を受けないため、病変の周辺領域に新生骨の形成が認められる。
4)壊死骨と生存骨との境界は明瞭である。
  ↓
安全な顎骨切除域を決定する

【針谷他 日口外誌vol.54No.7 15-19 2008】

投稿者 takagi : 12:57 | コメント (0)

2008年06月24日

ミラーニューロン

茂木健一郎の本を読んで、ミラーニューロンというものの存在を知った。
「猿真似」や、「人のふり見て・・・」など古来から言われている事を科学的に証明できるのかも。

-------------------------------------------

 ミラーシステムは、脳が自分に関する情報と他者に関する情報を共通のモジュールで処理している可能性を示唆する。たとえば、相手がこのような行為をしているということは、自分の場合だとこんな行為をしていることに相当するから、相手はこういう気持ちでいるに違いないという推測を行う際に、ミラーシステムが関与しているのではないかと考えられるのである。
 相手の心を読み取る能力を「心の理論(theory of mind)と呼ぶ。高度に発達した社会と文化を持つ人間の能力を考える上で、心の理論を支える脳のモジュールはきわめて重要な役割を担っていると考えられる。他人の心の状態と、自分の心の状態をあたかも鏡に映したように共通のプロセスで処理することによって、他者とのコミュニケーションを可能にしているのである。

【茂木健一郎著『脳と創造性』PHP研究所刊 p110・111】


--------------------------------------------

=あすへの話題= 
「脳の鏡で個性を磨く」 脳科学者 茂木健一郎
 ここ十年の脳科学における最大の発見と言えば、何と言っても大脳皮質の前頭葉で見つかった「ミラーニューロン」である。最初は猿の脳から報告されたが、その後、人間の脳でも対応する部位が発見された。
 ミラーニューロンは、その名前が示唆するように、自分の行為と他人の行為を鏡に映したように表現する。例えば、自分が手を伸ばして何かを掴む時にも、他人が同じ行為をするのを見ている時にも活動するのである。
 ミラーニューロンが注目されるのは、それが、「他人の心を読み取る」という脳の大切な機能を支えているのではないかと推測されるからである。人間の本質は、他人とコミュニケーションをする社会的知性に顕れる。ミラーニューロンは、他人と柔軟にコミュニケーションする人間の驚くべき能力を支えていると考えられるのである。

(日本経済新聞2005年7月28日夕刊掲載) 
茂木健一郎クオリア日記 2005/07/29より無断(^x^)抜粋】

------------------------------------

サルの腹側運動前野(F5)において、自己がゴール志向性の運動を行ったときにも、他者が同様の運動をしているのを見たときにも活動する神経細胞がある。これらはまるで鏡のように活動することから「ミラーニューロン」と名付けられている。この働きにより、他者の行動を心の中でリハーサルすることで追体験できると考えられている。ただし、サルにおいて心の理論に相当する能力があるのか問題であり、ミラーニューロンの機能と併せて議論の対象となっている。ヒトでは、この領域に相当するのは下外側前頭前野つまりブローカ野の一部(44野)に相当すると言われている。

【板倉昭二「他者の心:メンタライジングを中心に」『認知科学への招待』大津由紀雄・波多野誼余夫編、研究社、2004年】

--------------------------------------------

=共感する神経細胞=

--------------------------------------------

=心の理論=

心の理論(Theory of Mind)とは、ヒトや類人猿などが、他者の心の動きを類推したり、他者が自分とは違う信念を持っているということを理解したりする機能のことである。

実証的な研究では、サルによる神経細胞活動の記録実験や、ヒト及びサルの脳機能イメージングによって、心の理論に関係する中枢領域が判明してきた。

サイモン・バロン=コーエンは、他者の心を読むための機構として、
 意図検出器(Intentionality Detector:ID)、
 視線検出器(Eye-Direction Detector: EDD)、
 注意共有の機構(Shared-Attention Mechanism: SAM)、
 心の理論の機構(Theory-of-Mind Mechanism: ToMM)
という4つの構成要素を提案している。

また、心の理論は進化の過程でヒトにおいて突然発生したものではなく、他の生物でもその原型となる能力があるのではないかと考えられている。
それらの能力としてC.D.フリスらは、
 生物と非生物を区別する能力
 他者の視線を追うことによって注意を共有する能力
 ゴール志向性の行動を再現する能力
 自己と他者の行動を区別する能力
の4つを挙げている。

投稿者 takagi : 08:36 | コメント (0)

2008年06月17日

信仰と健康

古くから「病は気から」と言われているが、信仰が健康に役に立つという学術的発表を見つけた。

米国の疫学者リンダ・パウエルによれば「教会や礼拝に足を運ぶ人ほど長生きできる」という事に関しては信頼性が高いことが分かった。
また、「信仰など精神的な拠り所があると、心臓血管疾患になりにくい」こととか、「誰かに祈ってもらうと、急性疾患(風邪や下痢など)の回復が早い」事も分かったそうだ。
ただし、「信仰などによって身体に障害が残らないとかガンが進行しにくい」という事についての根拠は得られなかったという。

祈りの言葉は自分の心を変え、それが身体を変えてしまうということだ。

最近、エピジェネティック(遺伝子外)という現象が見つかった。
遺伝子のDNAに変化はなくても、DNAにメチルなどが結合したりすると、遺伝子のスイッチが押されて反応が始まるという現象だ。
この現象により、環境や心のあり方で遺伝子にいろいろな物質が結合し、最終的にガンを引き起こしたり、ガンが途中で消えたりするというわけだ。
(ランス・アームストロングが強靱な精神力でガンを克服したものな・・・)

強いストレスや怒りや苛立ちを持ち続けると、身体を損ねる。
これは、脳の異常な興奮は下垂体を通じて副腎に伝えられ、皮質から分泌されるコルチゾールは血糖値を上昇させる。また、副腎髄質から分泌されるアドレナリンは交感神経を刺激し血圧を上げ、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす。

心の平安が、健康の秘訣。

(浜松医科大学名誉教授・高田明和著/日歯広報08.6.15.#1444号より)

投稿者 takagi : 15:34 | コメント (0)