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2015年01月30日

STAPスキャンダル

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ここんとこニュースは、「ISILの人質問題」の事ばかりだが、ちょうど1年前の今日、日本中は「夢の万能細胞STAP細胞発見」のニュースで持ちきりだった。
ノーベル賞を受賞した山中教授のiPS細胞に続く、世界的、歴史的発見と世間は大騒ぎをした。
もちろん僕もおおいに胸が躍った。

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今は、しがない町の歯医者として日常を送っている僕も、26、7年くらい前までは大学の研究室で骨移植、人工骨の研究をしていた。
いまどきの再生医学や生命科学の研究には遠く及ばないが、いちおう歯学博士として僕も大きなカテゴリーの中では「生命科学者」の端くれだと思っている(思っているだけです)。
STAP細胞発見のニュースには驚き、大きな期待をしたのだ。

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【STAP細胞】
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【ES細胞】
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【iPS細胞】

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未分化な幹細胞は、それが分化することによって生体の様々な組織、臓器になっていく。
もっとも未分化な細胞は受精卵であり、そこから生物が成り立って誕生し、成長発育していくわけだ。
再生科学は、分化した細胞を未分化な(これから何にでもなれる)細胞に逆戻りさせようとする研究分野で、現在医学生物学、生命科学の花形分野である。
すでにES細胞、iPS細胞が成功を収めていることは周知の事。その後を追って世界中の有名無名な研究者が躍起になって研究に励んでいる。

クローン動物(羊のドーリーは有名)も、この分野のひとつ。他人からの臓器や人工臓器の移植に代わる再生医療には大いなる期待が持てる。
歯がなくなったところに天然の歯を再生させることができれば、入れ歯やインプラントなど必要なくなる時代が来るというわけだ。
STAP細胞には、そんな夢と期待があったのだが・・・

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正月明けに書店に平積みされていた本をつい手に取ってしまった。
「捏造」というのが妙に不快な気持ちにさせたが、さっそく炬燵に入って丸くなりながら読んだ。

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「捏造の科学者 STAP細胞事件」 (須田桃子・著  文藝春秋 刊)

派手な記者会見、疑惑、論文撤回、研究者の反論、研究責任者の自殺、不正の認定・・・。
STAP細胞をめぐる騒動を時系列で追っている。
「夢の幹細胞発見」の毎日新聞の記者による報道記録だ。決して科学ミステリー小説ではない。

主役の美人で才女の小保方氏、それを支える名脇役の若山氏と笹井氏という超エリート科学者、、さらに時々顔を出すひょうきん顔のハーバード大バカンティ氏など、僕らは登場人物もストーリーもリアルに(テレビや新聞などの報道で)知っている。
早稲田大学院の修士課程を出た(小保方さんの先輩)リケジョの著者・須田桃子記者が、自殺した笹井氏らとのメールのやり取りなどを通して「なぜ不正が起きたか?」を追及している点が興味深い。

理研内部の情報操作(?)や、理研を出た若山氏の冷遇、笹井氏と若山氏との陰での責任のなすり合い・・・。
新聞記者ならではの切り込みは、全部を真に受けるつもりはないが、一般の報道だけでは知り得なかった、この本ならでは情報だ。
理研や官僚の巨大組織、科学者達の自信、過信、嫉妬、利権、焦り、名誉欲そしてエゴなどが渦巻く、科学行政の裏側をくどいくらいに書いてある。

ネガティヴな渦中の人となった時、笹井氏が著者の須田記者に書いた
「津波のようなドリフト状態を生み出すエネルギー」というフレーズが、何度も僕の中でリフレインしている。そして、この感情が彼の死へ追いやったのだろうな、と。
(今騒がしているISILに対する「I AM KENJI」などのプラカードデモ等の動きの発端も、同様のエネルギーから来るものなのだろうか・・・)

この本を読んで、著者の須田記者の小保方さんへの「女としての憎悪感」や、笹井氏よりも若山氏の方が好き・・・? 著者プロフィールの写真を見る限り、須田記者もなかなかのべっぴんさんで、行間に垣間見える人間ドラマまで読み取ってしまう僕は、やっぱりミステリー好き?

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サイエンス・ミステリー小説としてなら痛快で面白く読めるが、ノンフィクションなのだから背筋が凍る。

僕個人としては、いまでも「STAP細胞はあります!」と信じたい。
そして、近未来に改めて完全理論武装してこの世に再登場して欲しいと願っている。


投稿者 takagi : 08:16 | コメント (0)

2015年01月28日

デンタルフロス

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歯と歯の間(歯間=「しかん」という)のバイオフィルム除去のためには、デンタルフロスが必須だ。
僕が歯学生だった35年以上前は、一般の人がフロッシングをするというのは奇異な時代だった。
歯医者の息子でありながら、歯学生の僕自身授業で習うまでその存在を知らなかった。

未だ「糸ようじ」と言った方が通じやすいが、現代日本においてフロスを使ってプラークコントロールをするのは常識になりつつある。とても良いことだ。

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僕の歯学生時代(1974~1980年)は、東急ハンズにでも行かない限りデンタルフロスなんて入手困難だった。(ちなみに東急ハンズの創業は1976年)
1976年、僕が初めてアメリカに行ったとき、普通のスーパーの歯ブラシ売り場にデンタルフロスが当たり前の様に陳列してあったのに驚いた。
映画「プリティウーマン」の中で、ジュリアロバーツ演じる娼婦がホテルの客室のバスルームでフロッシングしているシーンがあり、アメリカではフロッシングが極めて日常的だと言う事を知った。

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十数年前に、歯周病が全身疾患を脅かすということを告知するために、アメリカの歯科医師会では「Floss or Die(フロスを選ぶか、死を選ぶか)」という、センセーショナルなキャンペーンを行った。
「Brushing or Die(歯磨きか、死か?)」ではないところが、フロス文化(?)のある欧米との違いか。

デンタルフロスが一般的になった今でも、フロスの正しい使い方を知らない人、あるいは間違った使い方をしている人が意外に多い。

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まず、フロスはケチケチせず50~60cmくらい引っ張って、両手の中指にぐるぐる巻きにする。
中指というのがキモ
けっこう人差し指に巻きつけている人がいるが、フロスを微妙な力加減で歯間部に押し込むには、人差し指の力を借りなければならないので、中指がGOOD。

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歯間にフロスを挿入させたら、歯肉縁下まで優しく押し込み、軽く振動させるようにして引き抜く。
ひとつの歯間部に何度も行う必要なはい。

わかり易く使い方を紹介しているので、サンスターのサイトにリンクを貼っておく。
(デンタルフロスの使い方はここ


ちなみに、フロッシングはブラッシングの前に行った方が良い。(←これけっこう知らない人が多い。上記リンク先のサンスターでも“ブラッシング後”と言ってるが・・・)

なんとなく奥歯に物が挟まったような、デンタルフロスの話でした(笑)

投稿者 takagi : 17:06 | コメント (0)

2015年01月08日

認知症と歯科

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今年僕は還暦。超高齢社会では、まだまだ鼻たれ小僧だが、老後の事もちょっと気になりだした。
健康長寿で生きていきたい。
寝たきりや、認知症では長生きしたってしょうがない。
そう思った時にふと、目にした「認知症」の記事から・・・

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認知症には「アルツハイマー型」「脳血管障害型」「レビュー小体型」「前側頭型」の4つのタイプがあり、国内ではアルツハイマー型がおよそ6割を占める。
発症リスクには生活習慣が大きく影響している。

生活習慣病とアルツハイマー型認知症との関わりについての疫学的調査研究の結果をまとめてみる。

【糖尿病】
糖尿病患者はそうでない人に比べて2.05倍発症しやすい。
(「久山町研究」1988年に健診を受けた60歳以上の1017人を現在まで追跡調査)

【高血圧症】
最高血圧が160mmHg以上の人は140mmHg以下の人より2.3倍発症しやすい。
(「キビペルト研究(2001年)」1972年から26年間、69~79歳の1449人を対象に調査)


【飲酒習慣】
1日にワイン1~2杯の人でアルツハイマー型認知症を発症したのは13.1%だったのに対して、
それ以上の飲酒習慣の人は22.3%の発症率。
(米国ウェイクフォレスト大学研究チーム2009年/75歳以上3069人の健康状態を6年間調査)

【歯の本数】
残存歯数が19本以下の人は、20本以上の人に比較し1.70倍の発症率。
(山梨県歯科医師会による実態調査2007年/65歳以上12,000人を対象)

健康な高齢者は残存歯数が平均9本だったのに対し、アルツハイマー型認知症の人は平均3本だった。
(名古屋大学医学部2002年の調査/153名を調査)←対象が少ないのでは??

ということで、めざせ!「ピンピンコロリ」です。

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投稿者 takagi : 12:06 | コメント (0)

2015年01月01日

迎春

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喪中につき、新年のご挨拶を失礼させていただきますが、皆様のご多幸を祈念しております。

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山形の元旦は、真白き雪に覆われた美しい朝でした。
清く、優しく、美しく、心豊かな一日一日を積み重ねて、これからの一年を過ごしていきたい所存です。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

高木幸人

投稿者 takagi : 11:58 | コメント (0)